フォロワーが増えたのに売れないのは、集めた相手を間違えているからです。私はこれまで経営者のSNSを支援してきて、「数字は伸びているのに問い合わせが来ない」という相談を受けてきました。原因はたいてい一つに行き着きます。
この記事では、フォロワーが増えても売上につながらないアカウントに共通する構造と、事業でSNSをやるなら本当は何を追うべきかを整理します。結論から言えば、フォロワー数は、事業の成果とは直接つながりません。
実例:エンタメで伸ばして、マス層を集めてしまったアカウント
あるアカウントは、エンタメ寄りの投稿でフォロワーを大きく伸ばしていました。数字だけ見れば成功です。ところが、集まったのは本来のターゲットではなく、商品とは関係のないマス層(不特定多数の一般層)でした。
ここから問題が始まります。一度マス層をフォロワーに集めてしまうと、その後どんな投稿を出しても、届く相手はマス層のままになります。本当に問い合わせてほしい人に、投稿が届かないのです。フォロワーは増え続けるのに、売上には一切つながらない——見た目の数字と中身が完全にねじれた状態です。
なぜ「集めた相手」で価値が決まるのか
SNSのアルゴリズム(誰に投稿を届けるかを決める仕組み)は、これまで反応してくれた層に、次の投稿も優先して届けます。だからエンタメでマス層を集めると、システムは「この人にはマス層が反応する」と学習し、以後もマス層にばかり配ります。集めた相手が、その後の届き先を決めてしまうのです。
フォロワー数を追う
とにかく伸びる投稿を出す
→ 反応しやすいマス層が集まる
→ 届き先がマス層に固定される
→ 数字は増えるが売れない
届く相手を選ぶ
ターゲットに刺さる投稿を出す
→ 見込み客が反応して集まる
→ 見込み客に届く流れができる
→ 問い合わせの率が上がる
つまりフォロワーは、飾っておく資産ではなく「あなたの投稿が届く相手のリスト」です。誰を集めたかで、そのリストの価値は決まります。1万人のマス層より、100人の見込み客のほうが、事業にとってはずっと価値が高いことも普通に起こります。
追うべきはフォロワー数ではなく「問い合わせの率」
事業でSNSをやる目的は、フォロワーを増やすことではありません。必要なターゲットに刺さる投稿でアルゴリズムに乗せ、届いた相手からの問い合わせの「率」を高めることです。私が運用でやっているのも、まさにここです。
- 指標をフォロワー数から入れ替える——プロフィールへの遷移や保存、そして問い合わせの数を追う
- 投稿を「誰に届けたいか」から設計する——伸びやすさより、見込み客に刺さるかで切り口を選ぶ
- 関係ない層に伸びる投稿は、意図してやる——マス向けの企画は届き先を歪めうる。目的を持って扱う
正直に言えば、一度マス層に寄ってしまったアカウントを見込み客向けに立て直すのは、簡単ではありません。だからこそ、伸ばし始める前に「誰を集めるか」を決めておくことが何より効きます。数字の大きさより、届く相手の質を最初に設計してください。
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