中小企業がSNSをどの媒体から始めるか、その答えは「いま流行っている媒体」ではありません。「あなたのお客様がいる媒体」です。私はこれまで、経営者から「どのSNSをやればいいか」という相談を何度も受け、そのつど客層から逆算して媒体を選んできました。
媒体選びで失敗する人は、たいてい「話題だから」で選びます。でも媒体ごとに集まっている客層はまったく違います。この記事では、現場で実際に助言した基準を、客層の居場所という視点で整理します。
実例:実店舗ビジネスに「Xはやめておいた方がいい」と言った
あるとき、実店舗ビジネスの方に、テキスト媒体(文字が中心のSNS。X=旧Twitter)はやめておいた方がいいと伝えました。決して人気がない媒体だからではありません。その事業の客層と、その媒体に集まっている人の層が噛み合っていなかったからです。
実店舗は、地域や来店動機で来るお客様が中心です。文字で流れていくタイムラインより、写真や短い動画で「行ってみたい」を作れる媒体のほうが相性がいい。人気の有無ではなく、客層との噛み合わせで選ぶ——これが媒体選びの原則です。
客層ごとに、向く媒体は変わる
いくつか、現場で使っている目安を挙げます。あくまで出発点の考え方であって、実際は事業ごとに調整します。
| 実店舗ビジネス | テキスト媒体(X)は優先度を下げる。写真・短い動画で来店動機を作れる媒体を軸に |
|---|---|
| 女性がターゲット | Threadsは女性ユーザーが多く相性が良い。逆に女性向けでないなら優先度は低い |
| BtoB(法人・経営者向け) | YouTube・X・Instagramは狙える。TikTokは避けたほうがいい |
BtoBでTikTokを避ける理由は、利用者が20代中心で、法人の担当者や経営者層にはリーチしにくいからです。媒体の勢いと、そこにいる客層は別の話です。伸びている媒体でも、あなたのお客様がいなければ意味がありません。
始めるなら、まず一つに絞る
媒体を選んだら、最初は一つに絞ることをおすすめします。中小企業や個人事業では、SNSに割ける手も時間も限られています。複数を薄く回すより、客層と噛み合う一つを深くやるほうが、資産は早く積み上がります。
- 自分の客層を先に言葉にする——年齢・性別・法人か個人か・来る動機を具体的に
- その客層がいる媒体を選ぶ——流行ではなく居場所で決める
- 一つに絞って続ける——手が回る範囲で深くやり、反応を見て次を考える
正直に言えば、媒体の傾向は変わっていきます。ここに挙げたのは今の時点での目安であって、最後は自分の客層に照らして判断してください。それでも「お客様がいる場所で選ぶ」という軸だけは、媒体が変わっても効き続けます。
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