SNS運用を外注しても数字が出ないのは、丸投げの前に決めておくべきことを飛ばしているからです。私はこれまで経営者のSNSを代行・支援してきて、完全に手を離した案件がどう崩れるかを、実際に経験してきました。
この記事で伝えたいのは一点です。外注できるのは作業であって、あなたの事業だけが持つ一次情報は外注できません。ここを分けずに丸投げすると、どれだけ良い外注先でも成果は出ません。
実例:完全丸投げで、素材が集まらなくなった
あるクライアントは、SNSをこちらに完全に丸投げしました。一見、依頼側にとっては理想的です。ところが運用を始めると、素材がまったく集まりません。現場の話も、こだわりも、実際にあった出来事も、こちらに渡ってこない。
そうなると、こちらはゴーストライター化します。一次情報が取れないので、投稿のネタはネット検索に頼らざるを得ません。結果として、その事業だけが持つオリジナルの情報を発信できず、どこかで見たような当たり障りのない投稿ばかりになり、数字は出ませんでした。
SNSの燃料は「その事業だけが持つ一次情報」
なぜこうなるのか。SNSで伸びる投稿の燃料は、検索で誰でも拾える情報ではなく、その事業の中にしかない一次情報だからです。現場で起きたこと、失敗談、お客様とのやり取り、判断の理由——これらは経営者本人の中にしかありません。作業は外注できても、この燃料だけは外注先が自力で作れないのです。
✕ 完全丸投げ
◯ 作業だけ丸投げ
処方箋:作業は丸投げ、想いと経験だけは出してもらう
では、経営者に発信の手間を増やさずに一次情報を引き出すにはどうするか。私が実際にやっている型はこうです。月に1〜2回、ミーティングで自由に喋ってもらい、それを録音・録画する。あとはAI(生成AI)で解析してコンテンツに落とし込む——これだけです。
経営者がやることは「喋る」だけ。資料をまとめる必要も、投稿を書く必要もありません。それでも、その事業だけが持つ一次情報を含んだコンテンツが作れます。作業の丸投げと、一次情報の共有は、両立できるのです。
作業は、丸投げしてください。想いだけは、聞かせてください。外注の前に自社で決めておくべきは、この「想いと経験を、どうやって渡すか」の一点です。ここさえ設計できていれば、あとの作業はすべて任せて構いません。
外注する前に、自社で決めておくこと
- 誰に届けたいかを言葉にする——ターゲットが曖昧なままだと、外注先も的を絞れない
- 一次情報を出す場を決める——月1〜2回でいい。喋る時間を先にカレンダーに入れる
- 作業と判断を切り分ける——制作や編集は任せ、何を伝えたいかの判断は自分が持つ
正直に言えば、この型は「一切関わりたくない、完全に手を離したい」という方には向きません。喋る時間すら取れない、あるいは自分の経験を渡す気がないなら、SNSは外注しても資産になりにくいのが現実です。逆に、月1〜2回の対話さえできれば、作業は安心して手放せます。
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