買取店の集客でやるべきことは、次の3段です。
- 集める:Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)・SNS・YouTube・チラシ・Web広告(リスティング広告)で、売りたい人に見つけてもらう
- 選ばれる:LP(1ページで査定の申し込みまで案内するページ)で、「この店に頼む理由」を伝える
- 受け取る:公式LINEで、写真を送るだけで査定を頼めるようにする
大事なのは、この3段を1本の流れ(ファネル)としてつなぐことです。Googleマップも、SNSも、YouTubeも、チラシも、Web広告も、行き先はすべて同じLPと公式LINE。集める方法がいくつあっても、最後は一つの窓口に流れ込むようにします。LPと公式LINEは、どの買取店にも必須です。
私は、ブランド品の卸をしながら買取もしている会社を、マーケティングの担当として支援してきました。その現場でやったことを、段ごとに書きます。
買取店の集客は「ファネル」で考える
ファネルとは、お客さんが「知る」から「申し込む」までに通る道筋のことです。上が広く下が狭い、じょうご(funnel)の形にたとえてこう呼びます。

| 段 | お客さんの状態 | 使うもの |
|---|---|---|
| 集める | 売りたい品があり、店を探している | Googleマップ・SNS・YouTube・チラシ・Web広告 |
| 選ばれる | いくつかの店を見比べている | LP |
| 受け取る | 一度、値段を聞いてみたい | 公式LINEの写真査定 |
| 来店・買取 | 値段に納得して、品を持って行く | 店頭・出張・宅配 |
買取店の集客がうまくいかない原因の多くは、この流れが途中で切れていることです。Instagramは頑張っているのにプロフィールから先がない。チラシは配っているのに電話番号しか書いていない。Googleマップに載っているのに、ホームページを開くと会社概要しかない。一つひとつの施策は動いていても、つながっていないので、問い合わせまでたどり着きません。
集める1:Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)
「近くの買取店」「〇〇(地名) ブランド買取」と探す人は、Googleマップから店を選びます。今すぐ売りたい人が多いので、いちばん来店に近い入口です。店舗の情報は、Googleビジネスプロフィールという無料の管理画面から整えます。
やること
- 業種(カテゴリ)を、実際に買い取っている品に合わせて設定する
- 買い取る品目・査定の様子・店の中の写真を載せる
- 営業時間・定休日・祝日や年末年始の休みを、正しく入れておく
- ウェブサイトの欄を、LP(または公式LINE)につなぐ
- 口コミには、一件ずつ返事を書く
集める2:SNS(Instagram・TikTokなどの短い動画)
SNSは、まだ店を探していない人にも届く入口です。「いつか売るかもしれない品」を持っている人に、先に名前を覚えてもらえます。
ここで気をつけたいのは、何を発信するかです。「高価買取!」「どこよりも高く!」は、どの店も言っています。売る人から見ると違いがなく、選ぶ理由になりません。
「高く買います」ではなく、本音に答える
売る人に「何を重視しますか」と聞けば、たいてい「買取価格」と答えます。でも、本当に値段だけで選んでいるなら、全員がいちばん高い店に行くはずです。実際はそうなっていません。値段の奥に、本人もはっきり言葉にしていない気持ちがあるからです。この奥の気持ちを、顧客インサイトと呼びます。
私が支援したブランド品の卸の会社でいちばん大きかったのは、「価値が分かる人に、きちんと判断してほしい」という気持ちでした。大切にしてきた品だからこそ、よく分かっていない人に適当な値段をつけられたくない。だから発信するのは、毎日その品に触れている人にしか話せない専門知識です。
やること
- 扱っている品の見分け方・選び方(プロはどこを見るか)を短い動画にする
- 相場の動き(いま高く売れる品、待ったほうがいい品)を伝える
- 値段が変わるポイント(付属品・状態・型番)を見せる
- プロフィールのリンクを、LP(または公式LINE)にする
集める3:YouTube(長い動画)
SNSの短い動画が「知ってもらう」入口なら、YouTubeの長い動画は「信頼してもらう」入口です。10分の解説を見終わった人は、もう「この店は詳しい」と分かったうえで来てくれます。YouTubeの動画は検索で探され、何か月も前の動画から問い合わせが来ることもあります。
支援した会社では、SNSとYouTubeで専門知識の発信を続けた結果、YouTubeの総再生は約2,700回から約15万回まで伸びました(2026年10月時点)。
やること
- SNSで反応が良かった話を、長い動画でくわしく話す
- 「〇〇 見分け方」「〇〇 相場」のように、売る人が検索する言葉をタイトルに入れる
- 動画の説明欄の一番上に、LP(または公式LINE)のリンクを置く
集める4:チラシ
チラシは、店の近くに住む人、特にスマホをあまり使わない世代に届く入口です。やめる必要はありません。変えるべきなのは、書いてある言葉と、行き先です。
- 言葉:「高価買取」ではなく、売る人の本音への答えを書く(例:「査定だけでも大歓迎。どこを見て、なぜその値段なのか、全部ご説明します」)
- 行き先:電話番号だけでなく、公式LINEの写真査定につながる二次元コードを大きく載せる
選ばれる:LP(必須)
Googleマップ・SNS・YouTube・チラシで興味を持った人は、たいてい一度ほかの店と見比べます。そのときに開くのがLPです。会社のホームページは事業のすべてを載せる場所なので、買取の話がぼやけます。買取のためだけの1ページを作り、すべての入口をそこにつなぎます。
LPに書くこと
- 売る人の本音に答える一言(「高く買います」ではなく)
- 買い取る品目と、査定で見るところ
- 査定から買取までの流れ(店頭・出張・宅配)
- 買取の実例や、お客さんの声
- 公式LINEの写真査定へのボタン(ページの途中と最後に)
受け取る:公式LINEの写真査定(必須)
LPで「ここに見てほしい」と思っても、いきなり品を持って店に行くのはハードルが高いものです。写真を送るだけで、おおよその値段が分かる。店に行くかどうかは、それを見てから決められる。この気軽な一歩目が、公式LINEの写真査定です。電話やメールより、ずっと気軽に送ってもらえます。
支援した会社では、LINEに届いた写真からAIが査定の下書きを作り、担当者が確かめて返す仕組みにしました。返事が早くなり、担当者の手間も減っています。

やること
- 友だち追加のあとすぐに、「写真を送るだけで査定できます」と案内する
- 送ってほしい写真(全体・刻印・付属品など)を、例つきで伝える
- 返事が届くまでの目安の時間を、先に伝えておく
集める5:Web広告(リスティング広告)
リスティング広告とは、Googleなどで検索したときに、検索結果の上に出る広告です。「ブランド 買取 〇〇(地名)」のように、今まさに売りたい人が検索した瞬間に出せるので、反応が早いのが強みです。ただし、買取は広告の値段が高い業界です。
最初は私も、ほかの買取店と同じように広告を出せばいいのか、と考えました。そこでGoogleの広告の値段を調べる道具(キーワードプランナー)で、1クリックあたりの値段を見てみたのです。とんでもない金額でした。たとえば「買取 LINE 査定」で検索結果の上に広告を出すには、1クリックで約570〜3,300円かかります(2026年10月時点)。クリックされただけで、まだ1件も買い取っていない段階の値段です。
私は以前、広告代理店で広告の運用を担当していました。大手の買取チェーンがどれくらいの予算を、どう積み上げて広告を出しているのかは、肌感覚で分かります。同じ土俵で広告費を積み合っても、まず勝てません。だから、ほかの店がやっていない専門知識の発信を選びました。広告は、ファネルができあがって、LPとLINEで申し込みが取れると分かってから足すもの。順番が逆だと、広告費がそのまま消えていきます。
やること(出すなら)
- LPと公式LINEで申し込みが取れることを、先に確かめておく
- 「ブランド買取」のような広い言葉ではなく、「〇〇(ブランド名・品名) 買取 〇〇(地名)」のように、扱う品と地域で絞った言葉に出す
- 広告の行き先は、会社のホームページではなくLPにする
- 1件の買取にいくらかかったかを毎月見て、合わなければ止める
よくある質問
全部を一度に始めないといけませんか?
いいえ。先に作るのは、LPと公式LINEです。受け皿がないまま人を集めても、取りこぼすだけだからです。そのうえで、集める方法を一つずつ足します。今すぐ売りたい人に届くGoogleマップから始めるのがおすすめです。
ホームページがあれば、LPはいりませんか?
会社のホームページは、事業全体を紹介して信頼を確かめてもらう場所です。買取の申し込みまで案内するには、買取だけに絞ったLPのほうが向いています。くわしくはホームページで集客できない3つの理由で書いています。
専門知識に自信がない店でも、発信できますか?
毎日品を査定しているなら、その知識はすでにあります。お客さんにとっては「プロがどこを見ているか」がいちばん知りたい中身です。普段の査定で見ているところを、そのまま話すことから始めてください。
ファネルは、すぐには結果が出ない
ファネルは、作ってすぐに結果が出るものではありません。発信を見て名前を覚えてもらい、LPとLINEで申し込みが取れるようになるまでには時間がかかります。そのぶん、一度流れができれば、チラシや広告のように配るたびにお金がかかることはありません。
どこで流れが切れているかを先に知りたい方は、RSMの無料のAI診断レポートで確かめられます。Googleマップ・Google検索・ChatGPTで探したときに、あなたのお店が出てくるか、代わりにどこが選ばれているかを調べてお送りします(毎月10社まで)。実例は、ブランド品の卸の会社の事例をご覧ください。







